筋トレの効果・効率がアップするスーパーセットとコンパウンドセット、そのメリットとデメリット、やり方は?
誰もが忙しい時間を削って、週に数回ジムに通っていることでしょう。ジムにいる時間はなるべく短く、効率的に済ませたいものです。
そんな方におすすめなのが、スーパーセットやコンパウンドセット。
筋トレの時間効率がアップすると同時に、マンネリ状態のトレーニンングに変化を与え、筋トレ効果のアップが期待できます。
スーパーセット・コンパウンドセットとは
スーパーセット・コンパウンドセットとは、どちらも2種目のトレーニングを1セットづつ交互に行うトレーニング手法です。
それぞれの違いは、この2種目の部位です。
- スーパーセット:
異なる部位の2種目を交互に行う(2つの部位を同時に鍛える) - コンパウンドセット:
同じ部位の2種目を交互に行う(1つの部位を集中的に鍛える)
スーパーセット・コンパウンドセットのどちらもやり方は同じです。
種目Aと種目Bを行う場合、
- 種目Aを1セット行う
- (インターバル無しで)種目Bを1セット行う
- インターバル(セット間休憩)をとる
- (以後、種目AとBの全セットが終わるまで繰り返し)
のように行います。
スーパーセットとコンパウンドセットでは「2種目の1セットと考え、インターバル無しで行う」という点は共通していますが、トレーニングの内容は全く異なります。
では、スーパーセットとコンパウンドセットの違いを見ていきましょう。
スーパーセット
スーパーセットの「異なる部位」には、真逆の働きをする部位(拮抗筋)を選ぶのがポイントです。
筋肉は基本的に骨を挟んで対になっていて、片方が収縮すると、もう片方は伸長します。
例えば、肘を曲げるときは上腕二頭筋が収縮し、上腕三頭筋が伸長します。反対に、肘を伸ばすときは上腕三頭筋が収縮し、上腕二頭筋が伸長します。
肘を曲げるとき、伸長する上腕三頭筋はブレーキ(曲げすぎを防ぐ)の役割を担っています。
この役割は体を守る意味でとても大切ですが、筋トレという視点では、上腕二頭筋の動きを邪魔しています。
スーパーセットの部位と種目の組み合わせとしては、
- 大胸筋と広背筋: チェストプレス と ラットプルダウン
- 上腕二頭筋と上腕三頭筋: ダンベルカール と トライセプスエクステンション
- 腹筋と脊柱起立筋: クランチ と バックエクステンション
- 大腿四頭筋とハムストリングス: レッグエクステンション と レッグカール
などが代表的な例です。
スーパーセットのメリット
スーパーセットでは、真逆の働きをする筋肉を同時に刺激することで、このブレーキ機能を緩め、狙った部位への刺激をアップさせる効果も期待できます。
また、インターバルが省略されることで筋肉の収縮時間が長くなり、筋肉を成長させるための化学的ストレスが大きくなります。
結果、時間効率だけでなく、筋肉に対してより効果的に刺激を与えることができます。
さらに、スーパーセットは2種目を一気に行う(間にインターバルを挟まない)ため、トレーニング時間の短縮にもつながります。
また、真逆の動きをする筋肉を組み合わせているので、一方が収縮している間、もう一方は伸びてリラックスした状態になります。
つまり、一方の筋肉をトレーニングしながら、もう一方の筋肉を効率的に回復させることができます。
結果、次のセットでのパフォーマンス(強度)を上げやすくなります。
スーパーセットのデメリット
スーパーセットはインターバルなしで2種目を連続で行うので、当然ですがきついトレーニングになります。
疲労によってフォームが崩れれば、当然、ケガのリスクが高くなります。
また、2種目を続けて交互に行うためには、必要な器具やマシンを確保しなくてはなりません。
一人で複数の器具やマシンを占領してしまうため、他の人のトレーニングを邪魔してしまうかもしれません。
ジムでスーパーセットを行うときは、
- ジムに人が少ない時間帯で行う(混んでいるときは諦める)
- (他に人が居るときは)器具は種目ごとに一度ラックに戻す
- (他に人が居るときは)マシンに私物を置いて場所取りしない
などルール違反にならないよう配慮しましょう。
スーパーセットのポイント
スーパーセットは強度の高いトレーニングです。
- オーバートレーニング(疲労の蓄積や回復の遅れ)にならないよう3セット程度にとどめましょう(3セットで余裕があれば、重量・レップ数・フォームを見直しましょう)
- トレーニングの前半は通常のトレーニングを行い、後半の追い込みとしてスーパーセットを活用しましょう。
コンパウンドセット
コンパウンド(複合的)という言葉の意味通り、コンパウンドセットは(同じ部位の)複数の種目を組み合わせるトレーニングです。
例えば、部位が「胸」ならばベンチプレスとダンベルフライのような種目の組み合わせになります。
やり方は前述のとおり、スーパーセットと同じです。
コンパウンドセットでは、インターバルなしで同じ部位に刺激を与えていくため、普段と違った刺激を与えたり、トレーニングの強度をより高くしやすくなります。
コンパウンドセットの部位と種目の組み合わせ例は、
- 胸: ベンチプレス → ダンベルフライ
- 背中: チンニング(懸垂) → ダンベルロウ
- 脚: スクワット → レッグエクステンション o rレッグカール
- 肩: ショルダープレス → サイドレイズ
- 腕: バーベルカール → インクラインダンベルカール
などです。
コンパウンドセットのメリット
筋トレでより成果をあげるには「筋肉に刺激を慣れさせない」ことがとても大切です。
いつも同じ種目やレップ数、セット数でトレーニングを続けていると、筋肉が刺激に慣れてしまい、トレーニングの効果が下がってしまいます。
コンパウンドセットは、異なる種目を連続で行うという新しい刺激によって、トレーニングに変化を与えるにはとても有効です。
また、スーパーセットと同様に、コンパウンドセットも2種目を一気に行う(間にインターバルを挟まない)ため、トレーニング時間を短縮できます。
コンパウンドセットはかなり強度の高いトレーニングなので、通常のトレーニングよりも短時間で追い込めることも大きなメリットです。
さらに、2種目をインターバル無しで行うため、同じ部位の筋肉に力が入った時間が長くなります。
結果的に、パンプアップ(溜まった疲労物質を取り除くための血流が増え、一時的に筋肉内の水分量が増えて筋肉が大きくなる状態)が起こり、トレーニングの追い込み(手応え)を実感することができます。
トレーニングの手応えを感じることは、継続することの大きなモチベーションになります。
コンパウンドセットのデメリット
コンパウンドセットにはスーパーセットと同様のデメリットがあります。
- 強度が高く、ケガのリスクが高い
- 複数の器具を占有するため、他の人の迷惑になる
さらに、コンパウンドセットは同じ部位を連続して行うため、オーバートレーニングになってしまう可能性もあります。
同じ部位に、通常のトレーニングよりも大きな負荷をかければ、回復に必要な時間も長くなります。
十分に休養を取らずに高強度のトレーニングを続けてしまうと、かえってトレーニングの効果が低下してしまいます。
コンパウンドセットを行う際には、オーバートレーニングにならないよう十分な休養をとりましょう。
コンパウンドセットのポイント
- 1部位につき週1回、多くても週2回が目安です(これ以上の頻度でも余裕がある場合は、使用重量やフォームを見直しましょう)
- 2種目とも高重量に設定することは避け、2種目目は低重量にしてフォームコントロールに重点を置くなどして、ケガを防止しましょう。
スーパーセット・コンパウンドセットを記録する
筋トレの内容を記録することは、筋トレを継続する・効率的に成果を出す上でとても有効です。
この筋トレの「近道」である「記録」をしている人なら、スーパーセットやコンパウンドセットも記録したいことでしょう。
紙のノートやメモアプリなど、自由に記入できる媒体に記録しているなら、今までの記録と何ら手間は変わらないでしょう。しかし、記入が自由な反面、総負荷量の集計やチャート表示などは簡単にはできません。
筋トレ専用のアプリを使用すれば集計は自動的に、チャートはいつでも的確に表示してくれます。
しかし、筋トレアプリも注意して選ばないとスーパーセットのように2種目交互に記録するには面倒な手間がかかり、記録すること自体が負担になる場合があります。
おすすめの筋トレアプリ
筋トレアプリ「My Workout」を使えば、スーパーセットやコンパウンドセットも簡単に「計画・記録」することが出来ます。
筋トレを記録中、設定した2種目が1セットごとに自動で切り替わり入力画面に表示されます。
セットごとにいちいち種目を切り替える操作が不要になり筋トレに集中できます。
また、先に始めた種目のインターバルは自動的にスキップされます。あらかじめ順番を決めて1種目めのインターバル時間を調整する手間も不要です。
スーパーセット・コンパウンドセットにも対応した筋トレアプリ「My Workout」、
ぜひご活用ください。